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  • 砂漠の道 5
  • すごく、前作とブランクが空きましたね^^;

    実はどこまで書いたか覚えてな=つД`)・゚・。・゚゚・*:.。



    ズゥン・・・

    狭い廊下を進んでいたヴァンとディーは鈍い音と揺れを感じた。

    「なんだ・・・?」

    ディーは何が起こってもいいように身構えた。

    「トラップが作動したようね。ドラくん達無事だと良いけど・・・」

    ヴァンには冒険のイロハを叩き込んだ後輩の安全が心配だった。

    「ん?なんか嫌な予感が・・・」

    常人ではなかなか気付かない僅かなトラップの気配も慣れれば分かるものである。

    ゴゴゴ・・・ゴゴゴゴゴゴ・・・

    暗い通路の先からは巨大な岩が転がってきた。

    「逃げて!」

    ヴァンは身体能力を高める術、すでにヘイストをかけ、逃げる準備は充分できていた。

    しかし、岩に気付くのに遅れたディーは逃げようとせず、鉾を構えた。

    「こんな岩・・・壊せばいい!」

    ズガガガ!

    1撃目で縦に岩を割った。

    「ぐっ!」

    戦闘技術が未熟なディーが猛スピードで転がって来る巨大な岩を斬り、無事ではいられるわけがなかった。

    手首には強烈な痛みが走った。

    ズガガガ!

    しかし、1撃目の勢いのまま、横に岩を割る。

    そして飛び上がり、4つに割れた岩を粉砕した。

    もちろん本来斬らない様な物を斬ったディーの腕を骨折したかと思うほどの痛みが襲った。

    「流石ドラくんの弟子・・・師匠みたいに無茶するわね・・・」

    感心と呆れを同時に感じた。

    「・・・!」

    ヴァンは迫り来る気配を感じた。

    カタカタカタカタ・・・

    「なんだこの音・・・?」

    暗闇から出てきたのは鎧を着て剣と盾を持った2体の骸骨だった。

    動力源の魔道石によって動くタイプの骸骨兵士であり、岩のトラップを突破した者を始末するために配置されたトラップだった。

    「もう・・・アンデッドなんてこりごり。」

    長い戦闘経験の中でアンデッドほど不快なモンスターはいないと感じていた。

    再び影を実体化させ、手裏剣を取り出す。

    「トリプルスロー!」

    6枚の手裏剣は正確に2体の体の中心の動力源の魔道石を貫いた。

    しかし、魔道石を貫いたはずの骸骨兵士達は手裏剣の当たった衝撃に少しよろめいただけで、

    再び襲い掛かってきた。

    「魔道石を貫いたはずなのに・・・まさか、カオスジュエルとか言う宝石の力・・・?」

    「うおおおお!」

    腕の痛みを叫ぶことで紛らわせてディーは鉾を水平に振り回した。

    骸骨兵士達は盾で防ごうとしても、ディーの馬鹿力の前では無駄だった。

    盾は見事に砕け、骸骨兵士達は真っ二つになった。

    ガシャ・・・ガシャ・・・

    しかし、真っ二つになっても魔力で動き続けていた。

    侵入者達を切り刻もうと、骸骨の上半身が地面を這った。

    「こいつら・・・!」

    流石にディーも動く死者達に恐怖を感じ始めた。

    「逃げよう!」

    2人は這う骸骨達を飛び越え先へと進んでいった。

    もちろん骸骨達は走る2人に追いつける訳が無かったがそれでも這い続けた。




    「あ、危なかった・・・」

    「いや、ヘッドさんこれは死ぬかと思ったよ・・・」

    吊り天井のトラップに潰される直前、ヘッドはイオの冒険に必要な4種類の道具の入った、

    イオの神の1つのアルディスの祝福を受けた小箱からマトックを取り出し、

    シャープアイズの効果を利用して石の扉を叩き壊した。

    残り約コンマ1秒で2人とも無事に脱出できたのだった。

    ドス・・・ドス・・・ドス・・・

    「あのさ・・・二重トラップの次にゴーレムは無いでしょ・・・」

    2体の人の形をした不恰好な石造が現れた。

    「なんでイオのゴーレムがここにいるの・・・」

    イオのゴーレムとこの世界のゴーレムはかなり異なる。

    この世界のゴーレムは常人の2倍以上はあるが、

    倒しても一人前の冒険家と認められる程度である。

    しかし、イオのゴーレムは身長が3mぐらいだが、強力な攻撃力と防御力を兼ね備え、

    熟練の冒険家さえも倒すのに苦心する強敵である。

    そしてさらに自分の体の強度を強化できる。

    長期戦に持ち込まれれば確実に破壊できない。

    「実はさ・・・カオスジュエルがこの世界に転送された元凶ってのが魔道師達の仕業なんだよね・・・」

    イオの魔道師達は日々研究に没頭し、好奇心が異常に高いが、

    性格は残忍で、さらに強力な魔法を使用できる上にしぶといという達が悪い連中である。

    「で、ここが一つの拠点というわけだね。」

    通りでミミックやゴーレムが出現してもおかしくないわけである。

    ゴーレム達が侵入者を倒そうと走って来た。

    「さて・・・さっさと倒そう。」

    暗黒騎士の剣に一気に力を込め、殴りかかってきたゴーレムの腕を切り落とした。

    「ストレイフ!」

    前に飛び出しながら撃った4本の矢がもう1体のゴーレムを貫く。

    しかし、貫通するまでとは行かず突き刺さったままである。

    ドラゴが射たゴーレムの胸の魔道石が輝き、体の強度を上げようとする。

    「モータルブロー。」

    ストレイフで接近した理由は一撃必殺効果を持つモータルブローで一気に勝負を決めるためだった。

    輝く魔道石を強烈な矢が貫く。

    本来破壊不可能なゴーレムの魔道石もモータルブローの威力の前には太刀打ちできなかった。

    動力源を失ったゴーレムはむなしく崩れた。

    しかし、腕を失ったゴーレムは強度を上げ、ヘッドを苦戦させていた。

    ドスッ!

    ゴーレムの右足蹴りがヘッドの腹に命中した。

    「うっ・・・!」

    ヘッドをふっ飛ばし、壁に激突させた。

    かなりの強度を誇る鎧を着けていたにも関わらず腹に強い痛みが走る。

    ヘッドの口から血が流れ出る。

    止めを刺そうとゴーレムが走ってきた。

    次の左ストレートをかわし、力任せに剣を振り、

    強化されたはずのゴーレムの頭を見事に切り落とす。

    そしてすかさず胴を薙ぐ。

    バラバラになったゴーレムはもはや動けなくなっていた。

    「ヘッドさん、いつの間にそんな力をつけたの・・・?」

    「ああ、クローム兄さんがあの後、鬼の様な剣の指導を1年半してくれてね。おかげ様で苦手だった運動もだいぶできるようになったよ。」

    ヘッドの兄のクロームはイオの中でもかなりの強さを持つ剣士だった。

    家には滅多に帰らず剣1本を頼りに旅をしていた結果そうなったわけである。

    それに比べヘッドは商売や発明に励み、冒険は副業としてやっていた。

    元々運動が得意な方でもなく、魔法も使える方でもなかったので、

    基本的に戦闘は苦手だった。

    剣の指導でやっと運動が出来るようになり、欠けていた冒険に必要な戦闘技術が身に付いた。

    「今頃どこにいるんだろうなぁ・・・」

    クロームは次元と次元をまたぎ旅をしている。

    そのため、家に帰ってくることは4年に1回ぐらいである。








    「へっぷし!」

    ある男がくしゃみをした。

    青い髪、青いマント、そして長剣を腰にさしていた。

    (さて・・・ここはどこか。)

    その男は見慣れぬ城の中にいた。

    突然そこに現れたわけで来たくて来た訳ではない。

    どこかへ行こうと思ったらそこに辿り着いたのである。

    「おい、そこの見知らぬ者、なぜここにいる!?」

    ちょんまげに、袴、そして脇差と刀をさしている男達に囲まれていた。

    「答えぬなら斬る!」

    (これが噂に聞いた侍か。)

    立ち寄ったとある次元で聞いた覚えのある集団だった。

    侍達が刀に手をかけようとした瞬間、男は駆け出し、

    恐ろしい速さで一人の侍の腹を蹴飛ばし、囲みを突破した。

    「狼藉者!ひっとらえよ!!!」

    そこらじゅうから忍者が現れ、男を追いかけた。

    しかし、忍者達と男の距離は開き続けた。

    忍者の足の速さをもってしても男に追いつけなかった。

    「止まれ!」

    前方を数人の忍者が塞ぐ。

    「うぐっ!?」

    男は剣を抜き、目にも留まらぬ速さで忍者達を斬り先へ走り続けた。

    攻撃を受けた忍者達はあまりもの速さに何も分からず倒れた。

    忍者達に見えたのは男が鞘から剣を抜いた瞬間と剣を鞘に戻した瞬間だけだった。



    下への階段の前には一人の忍頭が立っていた。

    「ここは通さぬ。」

    男はこの忍者が只者でないことをすぐに感じ取った。

    他の忍者と明らかに雰囲気が違った。

    強者特有の威圧感と不気味さがあった。

    ドォン!!!

    階段の上の天井が爆発し、階段がふさがれた。

    剣を抜く。

    先ほどと同じ速さで忍者に斬りかかった。

    しかし斬りかかったのはただの薪だった。

    男の後ろから忍頭は刀で斬りかかった。

    しかし、刀は男を通り抜け、虚空を斬った。

    「!?」

    忍頭に後ろを取られたはずの男は忍頭の後ろにいた。

    彼が男に気付いた瞬間には背中を斬られていた。

    「・・・・・・・・・!」

    致命傷を負った忍頭は倒れ、動かなくなった。

    しかし、男は背後に気配を感じ、

    とっさに横に動き、背後から突き出された刀をかわす。

    忍頭は男が普通の者ではない事にすぐに気付き、二重に変わり身を張っていた。

    そしてすかさず男は水平に斬りかかった。

    しかし、その一撃は忍頭に阻まれる。

    攻撃が塞がれたかと思われた瞬間、男の剣は刀を切断し、忍頭を斬った。

    「なんだと・・・!」

    「悪いな、普通の刀じゃこの剣は受け切れんぞ。」

    その一太刀は忍頭に致命傷を負わせた。

    男は剣を納め、出口を探した。

    長い廊下には窓はなく、障子が張り巡らされていた。

    男は脱出する窓を探すため、障子を開け中へ入った。


    男の入った部屋は並みならぬ不気味な気配で充満していた。

    部屋の真ん中には赤い甲冑と仮面を身に付けた男が座っていた。

    甲冑の男は手を刀にかけ、口を開いた。

    「我は名を持たぬものなり。名乗れ、侵入者よ。」

    声だけでも人を殺せそうなほど威圧感ある声だった。

    「俺の名は・・・クロームだ。」

    弟とは違い暗く冷たい声だった。




    続く。













    追記でコメ返。





    ↑地雷スイッチ。

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  • 砂漠の道 4
  • 今日県立の合格発表が学校でありました。

    その時朝練だったんですけど、バレー部がちょうどドアを開けていたので様子が見えました。

    なんていうか見ていて・・・気持ちいい。

    本気で頑張って合格した人が喜ぶ姿が。

    近くに行って受けた知り合いにも会いに行きたかったんですけどね。

    まあ、合格したらしいんでまた校内で会えたら話でもしたいところ。


    ちょうどこの日に校内の桜が咲き始めましたよ。



    ドラマの影響もあり、図書館で不毛地帯を借りてきました。

    なんだかんだでドラマの方は家族全員が楽しんでいました。

    山崎豊子の小説のドラマは結構面白いですb

    他のドラマには無い面白さが・・・!

    白い巨塔も結構面白かったですし。

    話聞いてるとこの年頃で不毛地帯見てる人が少ない気が@@

    内容が少し暗く、ドロドロしてるっていうか・・・

    まあ、ドロドロするのも現実がベースになってるからかもしれないですけど。

    実際にこんなことあって、こんな人がいたんじゃないのか?って思いそうです。

    ストーリーは最高・・・のはず。

    勉強時間も、寝る時間も忘れて読みふけっていました・w・

    3巻あって1巻600ページちょいですから期限内に返せるか不安です。




    補足。

    前回出てきた「イオ」とかは昔やってたオンラインゲーム、「キャラバン」の中の世界です。

    ヘッドというのもキャラバンで使っているキャラの名前を取ったものです。

    ある程度昔書いてた小説からもネタを引いています。

    完成はしていないので考えていたネタとかも入ってますけど。




    気まずい沈黙が流れる。


    「え・・・・・・・・」

    ヴァンとディーはかなりの衝撃を受けたようだった。

    「人形と言っても感情はあるし、人間みたいに生活できる。でも、本物の人間が感じるほど鮮明に物事を感じたりはできないんだ。」

    この事実を話すのはドラゴにとって辛かった。

    特に親友の前で話すのは。

    「ただ、僕の技術が不完全だったためにドラゴくんには普通の人間に備わっている物がいくらか欠けているんだ。」

    ヘッドは常にそのことに罪悪感を抱いていた。

    「でも、少しずつ人間と生活することで人間性が強まっているんだ。」

    「なんでそんなことが・・・?」

    ディーもようやく話す余裕が出来たようだ。

    「それは全く分からない。」

    声が同じ2人が同時で話していると1人の人間が喋っているようで気味が悪かった。

    「もしかしたらヘッドさんが僕を自分の魂を素材にして作ったからかもしれない。」

    ヴァンとディーのがドラゴに対していだいていた疑問もやっと解けたようだ。

    感情が他の人より薄いような気がしていたのだ。

    最初はちょっとした違和感だったが、それはドラゴと一緒にいるとどんどん深くなっていっていた。

    それでも少し変わっている程度だと思っていた。

    「なんで言ってくれなかったの・・・?」

    「正直言うのが・・・怖かったんだ。人形って結構不気味がられて幾ら人間らしくても、人形であるがゆえに人と仲良くなれなかったりするし。」

    人との関係が築けないことを恐れてどうしても誰にも言うことはできなかった。

    親友にさえも。

    ドラゴは自然と孤独を恐れるようになっていた。

    「人間じゃないからって友達になれないって本気で思ってるの?」

    ドラゴは良い友を持ったことを改めて実感した。

    「ヴァンさん・・・ごめん。」

    「いいよ。ほんとのこと言ってくれたんだし・・・」

    少し本当の事を言わなかったことを後悔した。

    「ここでは2年過ごしたけど、そういえばヘッドさん僕って作られて何年経つっけ?」

    最初は自分が人形であることに気付かないように偽の記憶を植えつけられていたため、

    自分についてのことはあまり分からない。

    そして今も自分がドラゴの弟だという偽の記憶が残っている。

    偽の記憶とはいえ、それを完璧に否定するのはかなり難しい。

    「確か・・・この世界に旅立った日が作ってから3年ぐらいだから・・・」

    「実質5歳か・・・」

    もっとそれより生きているような気がしていた。

    「お、俺は5歳児に弟子にしてくれと頼んでいたのか・・・」

    ディーは顔を赤くした。

    「・・・」

    ドラゴは黙るしかなかった。

    「でも、不思議よね・・・ここまで人間そっくりなんて・・・」

    「え・・・この魔力の多い世界でドラゴくんみたいのはいないの・・・?」

    ヘッドは少し自信を得ることが出来たようだった。

    「まあ、禁止されているのもあるのかもしれないけどね。だから今まで見た人造人間とかは人間と姿が違うのかもしれないんだけど。でも、感情がここまでハッキリしているのは初めて・・・」

    「イオの技術ならドラゴくんみたいな人形はいくらでも作れるよ。まあ、作るのはやっぱりタブーなんだけど。」


    「さあ、もう話は終わりにして探検に戻ろう!」

    ドラゴもずっと自分の話をされるのもうんざりしていた。

    「ヘッドさんが来た道は何があったの?」

    初めからヘッドが死体臭かったのが気になっていた。

    「ただ、死体と石櫃があっただけ。他には何にも無かったよ。」

    「んじゃ別の道行くしかないよね?」

    「2つに分かれているが・・・どうする?」

    こういうところに初めて来るディーにとっては4人で固まっていくのが理想だった。

    「ここは2手に分かれて探索する方がいいと思うんだけど。」

    ヴァンの案で行くことになりそうだ。

    「狭いから4人で一気に行くのは無理だよね。」

    弓で戦うドラゴにとって狭い通路で入り乱れて戦うのは理想ではなかった。

    「ここは接近戦が出来る人と遠距離を一緒にすればいいんじゃないかな?」

    ヘッドが2人が言おうとしていたことを先に行った。

    「ディーとヴァンさんが左、ヘッドさんと僕が右でいいよね?」

    「それじゃ何かあったら連絡してね。」

    この世界では離れている相手とも好きなときに連絡が取れる。

    ディーは初のダンジョンに少し緊張気味だった。




    ヘッドとドラゴは暗く狭い通路を進んでいた。

    たいまつの明かりだけが頼りだった。

    最初は黙っていたが、しばらくしてドラゴが口を開いた。

    「あのさ・・・人前で話すのは少し恥ずかしかったんだけどさ・・・」

    「ん?」

    「言ったじゃん、僕がどんどん人間っぽくなってるって。その通りでたまに自分でもよく分からない感情が沸くことがあるんだ。」

    「まあ、そりゃ実質5歳児だし、深く相談相手もいないから仕方ないよね・・・」

    人間化していく人形は常にその問題にぶつかっていた。

    「それがさ・・・その・・・」

    確実に恥ずかしがっている。暗いから見えないがドラゴの顔がトマトみたいに赤くなっていることがヘッドには分かった。

    「とある人がいてさ・・・一緒にいるとどうしても緊張しちゃうんだけど。」

    かなりの小声で言った。

    それはドラゴにとって生みの親にすら話すのもためらうような事だった。

    「ぷ、ぷははははははははははははは!」

    ヘッドにとって真面目に顔でそんなことを話されたら面白くて仕方がなかった。

    真面目に話したつもりだったドラゴは笑われることはを予想はしていなかった。

    しばらく大声で笑った後ようやくヘッドは落ち着いた。

    「ご、ごめん、どうしてもおかしくてさ。」

    真剣な顔をしてそんなことを言われたのを思い出したらまた笑いそうになる。

    「人形なんだから仕方ないじゃないですか!」

    ドラゴは少し苛立った。

    「いや、あのさ・・・ああいう人に惚れるのは分かるけどさ・・・」

    ヘッドの言葉でやっとドラゴにも自分の状況が分かったようだ。

    「まさか僕そっくりだとはねぇ・・・」

    「え?ヘッドさんもまさかあんな感じの人に?」

    面白い話が聞けそうだとドラゴは直感した。

    「ま、まあ、相手もばれているよ。あの人だよね?」

    人見知りなドラゴのことだったら相手も予想がついた。

    「う、うん・・・」

    ヘッドが想像している相手をドラゴは理解することができた。

    やはり、自分の魂を分けた人形だということをヘッドは実感した。

    「こういうことに関しては残念ながら全く助言できないよ。僕そういうの苦手だからさ・・・」

    「まあ、そうかと思うんだけど・・・」

    「思い切って言っちゃいなよ、もう数ヶ月ぐらいの付き合いじゃないんでしょ?」

    「いや、改まってじゃ緊張するよ・・・」

    「ここ出て落ち着いたら言うことだね。きみの片思いっぽいし自分から動かなくちゃ。」

    もはや自分の手でどうにかするかないとドラゴは決意した。





    初心者と熟練者。

    その2つの言葉がディーにはのしかかっていた。

    ディーにとって他人の足手まといになりたくないという恐れはなかったが、

    へまをして恥をかきたくないとは思っていた。

    「まったくドラくんそっくりね。」

    「え・・・?」

    「一緒にこういうところ来たりしたけど、いっつもドラくんこんな感じで緊張してるのよ。」

    「あんまり物事に動じないタイプだと思ったんだが。」

    「それが違うのよ。というよりこういう所だけじゃなくても緊張してるって感じなんだけどね。」

    ディーには思い当たる節があった。


    ドラゴと会った日の飯のときだった。

    「そういやさ、人付き合い良さそうなのになんで一人旅なんかしてんだ?」

    空になった食器を下ろしてディーは言った。

    「別に人付き合い良いってわけじゃないんだけど。」

    「一緒に旅するぐらいの仲間はいるだろ?」

    「まあ、いるけどさ・・・」

    ドラゴは少し言葉に詰まった。

    「いるけど・・・?」

    「うん・・・まあ、言う必要ないよね。」

    「そりゃないぜ・・・」



    (まさかこんなのとは縁が無さそうな人だとは思わなかったんだけどな・・・まあ、純粋そうだったし、恥ずかしがり屋も納得行くか・・・)

    ドラゴの本性を隠す癖に気付いた。

    「緊張さえなければ、もうちょっといい冒険家になれると思うんだけどね・・・」

    (あの人・・・・・まさか・・・!)





    一方ドラゴ達は廊下を抜け約60m平方の正方形の部屋に出た。

    部屋の床には所々砂利と変な染みがあったが2人ともあまり気にしていなかった。

    「宝箱・・・だよね?」

    部屋の中央には3つ宝箱が置かれていた。

    「よし、調べてみようか。」

    ヘッドが箱を開けようとした瞬間宝箱は牙をむき出し噛み付いてきた。

    「うわっ!」

    ガチン!

    すんでのところで交わし宝箱から離れる。

    「こいつら・・・ミミックだね。」

    ミミックは宝箱に化け、騙された人を襲うモンスターだ。

    ドラゴも前出会った覚えがあり、命を落としかけた。

    先ほどヘッドに噛み付いたミミックから足が生えてきた。

    他の宝箱もミミックのようで、同じように足を出して襲い掛かってきた。

    「3対1じゃ食い止められない・・・!」

    ミミックの甲殻は非常に硬く、かなりのダメージを与えないと破壊できない。

    しかし、口の中に隠れている弱点の目を突けば簡単に倒せる。

    だが、攻撃にかなりの正確さが必要なため目を突くのはかなり難しい。

    それを可能にするスキルは幸いにも弓使いのドラゴにはあった。

    「シャープアイズ!」

    呪文を唱え、感覚を極限まで研ぎ澄ます。

    敵の弱点を狙いすまし、ヘッドは剣を突き出した。

    見事に目に突き刺さりミミックは動かなくなった。

    突進してくる他の2体の目にドラゴは矢を放ち、目を潰した。


    「全く便利な呪文があるもんだね・・・」

    イオに存在する呪文は攻撃と回復のものしかない。

    ゴゴゴ・・・

    上から音がした。

    しかし、あまりにも部屋が縦に高いため天井が見えなかった。

    ゴゴゴゴゴ・・・

    2人は一気に出口に向かって走ったが、出口は石のシャッターに閉じられ、砂煙が壁伝いに降りてきた。

    「なんか嫌な予感が・・・」

    ようやく天井が見えてきた。

    しかし、それは暗さに慣れたためではなく、天井が落ちてきたからである。

    「うわああああああああああああ!!!」

    ドラゴは死を覚悟した。

    恐怖を味わうようになったいたが、そんなことなど気にすることなどできなかった。

    ミミックで騙し、それがダメなら吊り天井のトラップという二重の罠が仕掛けられていた。

    「・・・!」

    天井が確認できても落ちるまでには4秒程度と逃げるには確実に足りなかった。

    侵入者を仕留める為のかなりの高難易度トラップの一つだった。

    室内の砂利は粉砕された侵入者の骨で、染みは押しつぶされた侵入者の血だった。

    ズゥン!!!

    鈍い音と共に天井は床についた。





    こりゃ結構難しいですわ。

    登場人物の性格を安定されるのもだし、細部はどう書くか考えるのもですし・・・

    書き上げるには長さの割には結構時間かかりました。

    この先がどんどん不安ですね。

    とりあえず楽しみながら書く。は忘れずに。





    もし自分が文系じゃなく理系だったらどうなるか・・・と考えることがあります。

  • 砂漠の道 3
  • 昼間いつも通りの暑さの中3人の旅人が砂漠を歩いていた。


    「そういやさ・・・ドラくん暗殺者に狙われるようなことした覚えある?」

    旅の仲間がいると常時会話ができて楽しいものである。

    「うーん・・・盗み食いとか?」

    本当に人との関わりが薄いためにそれぐらいしか思いつかなかった。

    「それはないでしょ・・・あの時ちゃんと懲らしめたじゃん。」

    「やっぱり理由にならないよね・・・というか暗殺するなら自分でするよね・・・?」

    前ヴァンの弁当をドラゴが盗み食いをして、その結果酷い目に遭わされた。

    結局それが出会いのきっかけである。

    「そうするかなー。」

    笑いながら言っているが本人の実力ならドラゴを暗殺するぐらい朝飯前である。

    「ドラゴさんそんなことをする人だとは・・・」

    少しディーには過大評価をされていたようだ。

    「そりゃ死にそうになるまで腹を空かせて目の前に無防備な弁当があったら・・・」


    (腹を空かせて・・・?ちょっと待てよ・・・なんで僕が腹をすかせるんだ・・・?)

    その時は苦しくて何も考える余裕は無かったが、今考えるとおかしい。

    「どうしたんだドラゴさん?」

    「いやなんでもないよ・・・」

    「おー、もう見えてきたよ。」


    砂丘を越えると巨大なピラミッドが見えた。

    「絶対なんかあるよね・・・ここ。」

    宝がいかにも眠ってそうである。

    「こんなに大きかったら誰かここに気付いて宝を取ってそうなんだけど・・・」

    ドラゴに過ぎった疑問は誰でも思いつくことだ。

    「それがトラップがあまりにもきつすぎて誰も宝に辿り着けないらしいのよ。」

    かなりの上級ダンジョンのようである。

    「なんか風向きがおかしくないか?」

    黙っていたディーが突然言った。

    「え・・・?ほんと?」

    どうやらヴァンも気付かなかったようである。


    最初は砂の動きが小さかったために気付かなかったが、

    少しずつ動きが大きくなり、砂が渦巻いていることが分かった。

    「まさか・・・」

    ザザザザザ・・・・


    いくつもの巨大な竜巻が物凄い速さでこっちに迫ってくる。

    「逃げろおおおおおおおおお!」

    全員全速力でピラミッドに向かって走った。

    ピラミッドへの距離は2キロぐらいある。

    竜巻に飛ばされずに行けるかどうかは全く分からない。

    「2人ともあたしの手につかまって!」

    ヴァンの手を2人がつかむ。

    「フラッシュジャンプ!」

    すさまじいスピードで竜巻から離れていった。

    しかし、手をつかんでいるディーとドラゴはあまりにも強く引っ張られたため

    肩が外れるかと思うぐらいの痛みを感じた。

    1回目の跳躍で10mぐらい進んだ。

    2回目の跳躍でさらに竜巻から離れたはず・・・だった。

    「あの竜巻こっちに向かってきてるよ!」

    竜巻はドラゴ達を狙っているかのように進路を変え向かってきた。

    「後200回ぐらい充分いける!」

    ヴァンは再び跳躍する体制に入った。

    「肩外れないように気をつけてね!」

    気をつけろといわれてもどうしようが無い。


    200回ぐらいフラッシュジャンプを繰り返し、

    後もう少しでピラミッドの入り口だが、竜巻はかなり距離を縮め、後100mで巻き込まれそうな状況だった。

    「ヴァンさん頑張って!」

    励ますぐらいしかできなかった。

    竜巻に引っ張られている感覚は恐怖そのものだった。

    「これで・・・最後!」

    ついにピラミッド内に入れた。

    「はぁはぁ・・・もう・・・・・だめ・・・」

    疲れ果てヴァンはそのまま地面に倒れこんだ。

    2人を引っ張って2キロも跳躍すればそうなるのも当たり前である。

    「もうちょい中に入ったほうが良いんじゃないのか?」

    「そうだね。よいっしょっと。」

    自分より身長の高い相手を背負うのは流石に辛かった。

    しかし、担ぐほど力があるわけではなかったのでそうせざるを得なかった。


    少し中に入ると広い部屋があった。

    分かれ道が3つある。

    しかし、一度休憩して進むのが良いだろう。

    こういうダンジョンにはモンスターも潜んでいるはずだからだ。


    ヴァンを降ろし座り込んで休憩することにした。

    「それにしてもあの竜巻おかしくないか?」

    「確かに・・・」

    「呪われてるんじゃないのか・・・このピラミッド。」

    「そうかもしれないよ・・・下手すればミイラとか出るんじゃ・・・」

    「冗談だよな?」

    「うん、じょうだ・・・」

    「うぅう・・・ううぅうう・・・!」

    君の悪いうめき声が奥から聞こえてきた。

    「は、ははは・・・」

    2人とも笑わざるを得なかった。

    「で、出たああああああああああ!!!」

    2人同時に叫びを上げ臨戦態勢に入る。


    3つの分かれ道から何十匹ものミイラが部屋に入って来た。

    一体一体戦力は低くても相当の数で襲い掛かられたら苦戦するだろう。

    「暴風の矢!」

    数え切れない矢が脆くなったミイラの体を貫き、粉砕していく。

    「どりゃあ!」

    力任せに振り下ろした鉾がミイラ達を真っ二つにしていく。

    しかし、ばらばらになったはずのミイラが立ち上がりこっちに向かってくる。

    切断されたミイラの手まで向かってきている。

    「これは・・・呪い!」

    そうとしか考えられない。普通アンデッドモンスターは頭を砕けば動かなくなるし、

    体の部分を切り落とせばその部分は動かなくなる。

    しかし、何らかの力によって生まれ、操られているアンデッドモンスターは

    そのようにはならない。(しかし、指など末端は切り落とせば動かなくなるが。)

    バラバラになるまで目の前にいる生命を破壊しようとする。


    ヴァンを守りきれなくなるのも時間の問題だった。

    ドラゴとディーが覚悟を決めた瞬間、強烈な稲妻が部屋中のミイラを襲った。

    「伏せろ!」

    とっさの反応が2人を救った。

    ミイラ達は焦げて動けなくなっていた。

    「こりゃ凄いや・・・こんな威力無いはずなのに・・・」

    真ん中の道からドラゴが知っている声が聞こえた。

    「ま、まさか・・・!」

    真ん中の道から出て来たのは背が小さく緑のローブ、眼鏡、帽子を着けた、緑髪の青年だった。

    背中には長剣を背負い、手には雷の形をした黄色い石の付いている杖を持っていた。

    しかも、よく見てみると肌の色や髪の色は違っても顔立ちはドラゴそっくりだった。


    「は、ははは・・・ははは・・・はははははははは!」

    笑わずにいられなかった。

    ディーは危機から脱出した安心感のためにドラゴが狂ってしまったのか心配している。

    「おー、かなり思ったより次元の移動がうまくいったかも。」

    声もドラゴそっくりだった。

    ディーは混乱しきっているようで、何か言いたいようだが、どうすればいいのか迷っているようだ。

    「まあ、久しぶり!ドラゴくん。」

    「ヘッドさん・・・なんでこの世界に・・・?」

    あまりにも突然の出来事に力が抜けてしまった。

    「いや、まあどうしてるか知りたくてさ。」

    「・・・」

    (経験からして何かを隠しているに違いない。)

    ヘッドの笑いが顔から消え深刻な顔に変わる。

    「実は・・・カオスジュエルが一個この世界に飛ばされたようでさ。」

    カオスジュエルとはヘッドの住む世界に存在する5つの宝玉で、

    邪神の力が封じ込められている。

    カオスジュエルからは強力な魔力が漏れていて、

    その影響でモンスターが発生したりする。

    場合によっては恐ろしいほど強力なモンスターが生まれることがある。

    今回のミイラもカオスジュエルの影響によるものだった。

    「この世界には魔力が満ちている。ってことはイオでカオスジュエルが及ぼす影響と比べ物にならないほどとんでもないことがこの世界では起こるはずだよ。」

    「ミイラもそのせいで・・・?」

    呪いなどではなかったようだ。

    「その通り。しかも、この世界の魔力を取り込んでかなりカオスジュエルの力は強まっているよ。」

    魔力の薄い世界で生きている魔法使いは魔力の探知に長けている。

    「何のせいでカオスジュエルがこの世界に来たの?」

    この質問の答えに真の訪問の理由があるに違いない。

    「実はこの世界に来るためにカオスジュエルを利用して次元の扉を開けたのはいいんだけど、あいにくカオスジュエルが転送されてしまったようで・・・」

    やはり何かを隠している。

    ヘッドは隠し事をするのがうまいが、ドラゴの前では何かを隠していることはすぐにバレる。

    「ああ、もう全く・・・相変わらず陽動尋問がうまいね。」

    ヘッドは額を叩き、自分の失態を残念がった。

    隠し事はうまいが、バカ正直なために嘘はつけない。

    「まあ、いいさ。とにかくカオスジュエルの回収を手伝って欲しいんだ。」

    ほっといたら危ないことにもなりかねないので宝探しのついでになるだろう。

    結局宝というのはカオスジュエル・・・というオチも見えてきた。

    「あ、そうだヘッドさん相談したいことがあるんだけど・・・」

    「ちょっと待って・・・何か来てる。」

    ヘッドはドラゴを制して刃が蛇行した奇妙な形の剣を鞘から抜いた。

    3つの分かれ道から3体の甲冑が出てきた。

    これらもカオスジュエルの影響で発生したモンスターなのだろう。

    「なんかまずそうね。」

    寝転んでいたヴァンが立ち上がった。



    まずヘッドが甲冑に向かって突進した。

    胴に切りかかるが敵の剣に防がれる。

    しかし、剣を器用に動かし相手の剣を弾き飛ばし、敵の胴を薙ぎ払う。



    ドラゴはその場で矢を番えて弓に力を込める。

    「ドラゴンパルス!」

    光の龍の口から巨大な矢が放たれる。

    それは甲冑の剣を砕き、腹に大きな穴を開けた。

    そしてディーがすかさずコンボ攻撃を3発浴びせ甲冑を粉砕した。


    ヴァンは影を実体化させ手裏剣を取り出した。

    「トリプルスロー!」

    6つの手裏剣が甲冑の鋼鉄の体を貫く。

    「アヴェンジャー!」

    巨大な手裏剣を投げ、甲冑を粉砕する。



    「こいつら・・・・・・人間だ!」

    叫んだヘッドの顔には血が付いていた。

    血が甲冑の損傷部分から噴き出す。

    「まさか、ここに宝を探しに来た人が死んでアンデッド化したんじゃ・・・?」

    全員の顔が恐怖で歪む。

    真っ二つになった死体がこっちに這って来ているのを見ると吐き気がする。

    「ここは任せてもらおうか!」

    ヘッドは杖を取り出し呪文を唱える。

    「雷撃!」

    稲妻が3体の死体に襲い掛かり、焦がした。

    焼けた死体は再び動くことは無かった。



    「うう、死体とは言えほんとこういうのって気持ち良くない・・・」

    ヴァンの言うとおりである。

    全員今にも吐きそうな顔をしている。

    「この先あんなモンスターがうようよいるから覚悟決めたほうが良さそうだね。」

    ヘッド剣を鞘に収めて言った。

    「さっき相談したいことあるって言ったよね・・・それの1つがこれなんだよ。」

    ドラゴは皆の前で言うのも避けたかったが自分を抑え切れなかった。

    「?」

    「前はさ・・・アンデッドモンスターを殺しても平気でいられたんだ。でも、最近は本当に気持ち悪いし、2度とやりたくないって思うんだ。」

    「まさかそんなはずが・・・!」

    ヘッドは驚きを隠しきれないようだった。

    「そんなことありえないはずじゃ・・・いや・・・まさか・・・!」

    「それ以外にも暑さや寒さとか今までなかった感情が沸いて来るんだよ。」

    2人以外は何のことかさっぱり分かっていないようだ。

    「確かに人間に出来る限り似ているように作った・・・でも、そこまで人間らしく作る技術は無かった・・・」

    ヘッドはかなり混乱しているようだ。

    「ドラゴくんこれは一つしか考えられないよ。さっきアンデッドを殺しても僕はそこまで嫌悪感を感じなかった。でも、昔は相当気持ち悪かったんだ。ということは・・・君が人間に近づいて、僕はその逆になっているってことだよ。」

    結論はそうとしか考えられない。

    「はは・・・このままだと僕は完璧に人間化してしまうのか・・・」

    やっと何が起きているのか分かった。

    「いや、おそらく君は今以上に人間らしくなるだろうが、完璧に人間にはなれないだろう。」

    「いったいどういうこと・・・?」

    耐え切れずヴァンが口を開いた。



    いずれ話すつもりだったが結局早めに話すことになった。

    「僕がヘッドさんに作られた人形ってことだよ・・・」





    展開が流石に無茶すぎました。

    結構前からこのねたを考えて来たんですけど、というか結構最後までのあらすじはぼんやりながら練ってあります。

    てか戦闘シーンの描写きつすぎます。

    まだまだの所がありますね。


    続きでコメ返。





    やっぱりなんだかんだで2話目以降が山です。

  • 砂漠の道 2
  • 夜の砂漠の空には大きな三日月が浮かび、暑い昼間からは想像できないぐらい寒い。

    少しだけ吹く風が砂を動かし、まるで砂漠は小波を打っているようだった。

    「・・・・・・・・・・・」

    ディーだけが眠りに着きドラゴだけは眠れずにいた。


    最近になって色々と悩むようになったのだ。

    17年生きてきたはずなのにそれまで悩むということをしなかった。

    実際に17年生きてきたかは疑問だが。

    一緒に育ってきた兄は悩んでもすぐに忘れるようなタイプだった。

    それが影響してか、普通悩みを持つような年頃になっても悩むことは無かった。


    唯一隠し事無しで相談できる相手が絶対に会えない遠く離れた場所にいる。

    そのため悩みをずっと抱え、旅をしているわけで最近はさらに悩みは深くなり増えて行く。


    「うう、寒い・・・」

    体が震える。

    これも悩みの一つだ。

    最近になって何故か寒暖が物凄く強く感じるようになった。

    今までは暑さにも寒さにも鈍くてどのような暑さでも長袖で生きていけた。

    しかし、今になってはドラゴにとって昼の砂漠は地獄そのものである。


    こうして変化していくはずのない自分が変化していくのがおそろしかった。

    なぜなら・・・


    「いやー、何かさっきから凄まじい殺気を感じないか?ドラゴさん。」

    寝てるはずのディーが突然言った。

    「・・・確かに。というか・・・これ近すぎない?」

    その瞬間、短剣が何も無いはずの空間から現れ、ドラゴに向かって振り下ろされる。

    「暗殺。」

    シャドーでなければ殺気に気付かれること無く近づくことができたはずである。

    見えない敵からの一撃をかわすことなど出来るわけが無い。

    「・・・!」

    フルチャージの暗殺で致命傷を受けずにはいられないはずだった。

    「トリプルスロー!」

    カカカ!

    3発の手裏剣が暗殺者の左肩に刺さる。

    「うぐっ!」

    なす術も無く倒れた・・・はずだった。

    「フェイク。」

    変わり身の術で暗殺者は無傷だった。

    「煙幕弾。」

    ボムッ!

    煙が晴れた頃にはどこにもいなかった。

    「攻撃するまでこっちも気付かないってことはさっきの奴より上のやり手じゃ・・・」

    ディーは鉾を構えいつでも攻撃できる態勢になっている。

    「いや・・・少なくともこっちを狙う気はないはずだよ。」

    ドラゴには何となく知っている相手の気がした。

    「大丈夫?」

    ドラゴの思ったとおりだった。

    「ヴァンさん久しぶり!」

    数少ないこの世界の親友の一人だった。

    「それにしても相変わらず気配隠すのうまいね。全く気付けなかったよ・・・」

    「当たり前でしょ。あなたより何年長くこの仕事やってると思ってるの?」

    やはり経験に勝るものはなかった。

    「でも今の実力なら気配ぐらいには気付けるかなと・・・」

    「それには2年早いんじゃないの?」

    熟練した冒険家が言うぐらいだ、これには間違いはないだろう。

    上達したつもりだったが、少しがっかりした。

    2人は腰を下ろして警戒を解いた。

    「で、なんでこんな所に?」

    「マガティアでちょっと何か良い情報見つからないかなーって。」

    マガティアの情報屋のブローカーハンの情報は確かで新しい物ばかりだ。

    この調子なら間違いなくいい情報が見つかったに違いない。

    「いい収穫でも?」

    「ここら辺りのピラミッドにお宝があるらしいのよ。」

    結構興味が沸いてきた。

    「今度はこっちの質問する番。あの子友達?」

    「うーん・・・ここへの途中で偶然会った・・・道連れかな。」

    「ちょっとドラゴさん道連れは無いだろ。」

    やっとディーにも話に入る余地ができた。

    「せめて同伴者ぐらいにしてくれよ。」

    「まあ、でも旅の道連れも同伴者も似たようなものじゃないかな?」

    なんとなくややこしいことになりそうだ。

    「いーや、全く違うね!」

    頑固な所はドラゴと似ているようだった。

    「まー、まー、それぐらいどうでもいじゃん。」

    ややこしくなりそうな話に終止符を打ったのはヴァンだった。

    「それにしても、誰かと一緒に旅するのって結構珍しいんじゃないの?」

    「もうかれこれ数ヶ月ぐらいは一人旅だったような気がする・・・」

    「よく、それで神経持つよね・・・」

    一人旅も昔から多かったし慣れっこだった。

    「ヴァンさんだって似たようなもんでしょ?」

    「まあ、そうかもね・・・」

    何かを考えているのか少し黙り込んだ。

    「それよりさ・・・ここから近いわけだし宝探しに一緒に行かない?」

    「まあ、気ままな旅だしいいよ。」

    少し面白いことになりそうだ。

    「んじゃ、今は寝てまた朝から行こうよ。それじゃおやすみー」

    寝袋を広げてさっさとヴァンは寝た。

    「ドラゴさんずっと起きてるけど寝なくて大丈夫なのか?」

    「いや、大丈夫。おやすみー」

    「おやすみー」


    静寂が戻り、再びドラゴは考えにふけった。






    しかし、意外な出会いは昔からの親友では終わらなかった。





    まあ、2作目からが正直書き物は難しい所です。

    本当にこれからどう盛り上げようかなーって。

    逆に言えば2作目から下手すりゃ失墜しちゃうんですよね^^;

    読み返して、あれ、これ1作目よりダメじゃね?って思います。


    1話1話今回みたい結構短めに書くつもりです。

    それでも、1話書くのに結構時間がかかっちゃいますねpq


    とりあえず・・・

    参加許可出してくれたヴァンsありがとうございますw
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